吉祥寺まで行って、Atreの中を抜けて北口を出て吉祥寺通りを真っ直ぐ歩いて大駱駝館の基地、壺中天に行ってきました。
初めての大駱駝館体験。
地下に降りていく階段からして綺麗で清浄な感じがした。
舞台に、だんだん白い人たちが出てきて座った。
この人たち、なに考えながらここにいるんだろう。
次の動きなのか。
そして白く塗った肌を纏った肉体が舞台の上で動きだす。
その動きを見て、私は着物を着て動く映画の中の人々を思い出した。
森重久弥のもりの石松、難波千栄子が扮した大阪船場の女将が、着物の袂を合わせながら廊下を歩く姿。身を包む衣装で人の動きは変わる。
私は、着物を着た人特有のしなやかな緩く曲線を描いて移動する仕草が好きだ。
そんなことを裸体に股間を布一枚あてた白い人たちを見ながら思った。
この人たちの動きを言葉で現すことができない自分の語彙不足を心から嘆く。
また、浅はかに言葉を使ってその動きを語ることを拒まれているような動きに目が奪われる。
きっとこの白塗りの人たちならば、もりの石松や船場の女将の動きを現代によみがえらせてくれるようなそんな期待を持った。
瞬間、瞬間、体を動かし、空気の中で、肌をさらし、さらした肌の中で
どんな速度で言葉や感覚が伝わり交錯しているんだろう。
白塗りで、でもそれぞれにやっぱり顔は違うし、口の中は赤いし、白塗りした
肌の内から覗く歯は普段見るより黄色い。
難波千栄子はお歯黒にしていた。
舞台が始まる直前。トイレから舞台前の客席に戻る途中、
私のiPhone が急にしゃべり出してしまった。
ぶっ壊れた。
劇場の外に持って出てもらった。ギリギリ、始まる前だった。
得体の知れないエネルギーが、私のiPhone にぶつかったのかもしれない。
面白いって言ってすませていいのかしら。
時間が過ぎていく、動きと表情を目で追い、一人一人の体の特徴に気をつけてみる。
汗をかいてる。
また今度続き書こう。
さっと’。