3月 122011
 

おばあちゃんが私のインドア野宿に参加。

ガスも水道もとまり、文明の力が及んだ機器が減った途端、なぜか「電話」という存在が大きく生活の中でクローズアップされ、電話ばっかりしている。

で、おばあちゃんなんかにも電話した。

二階で昼寝をしていたらなんだか聞き覚えのある声が太い大工さんたちの声に混じっている。窓から下を見ると、昨日の夜電話で話したおばあちゃんが、庭で大工さんたちにお煎餅とお茶を振る舞っていた。まだおやつの時間には少し早いが、おばあちゃんはもてなしている、というか、自分のペースに大工さんたちをまきこんでいる。

夕方になっても帰る気配のないおばあちゃんに、お風呂に入りに駅前の  SPAに行こうと誘うと、来る前に風呂に入ってきたし、歳だから新陳代謝が鈍いから、一人で行ってこいと言う。温泉好きのおばあちゃんにしては珍しいことを言うと思ってしつこく誘ったら、「今日生理なの」と気持ち悪いことまで言い出した。すっかり誘う気をなくして、一人でシャワーをしに行った。

おばあちゃん一人で残してきてもなんだしな、と思って早めにシャワーだけして帰るといい匂いがするではないか。。。。久々に嗅ぐあたたかい食べ物の匂いでした。

おばあちゃんが、IHの調理台を工事をしていない部屋、つまり私の書斎です、のテーブルの上、つまり私のmacのおいてある机、に、そのIH調理器具をおいて、煮物をしている。

macがとても心配だが、おばあちゃんは勝手気ままで自分のペースに人を巻き込むけど、おっちょこちょいではないので、安心することにして煮物の完成を待った。

庭の方で煙りがあがっている。くさい。見に行くろ、廊下に放置されていた、イギリス人の友達が「おみやげ」に買って持ち帰らなかった七輪にサンマがのっかって焼けている。くさい匂いはサンマの姿を見た途端に良いにおいに変わるのね、これが。

さんまと煮物とお味噌汁。おばあちゃんは食卓を豊かにし、いい雰囲気をつくりだす。人の暮らす空間を何もないところにつくりだす。

縁側に座ってビールを飲みながら、お祖母ちゃんと一緒に夕ご飯した。「夕ご飯」を「した」のだ。本当に。これが夕ご飯だよ。

水道が使えないから、2リットル入りの水の入った箱を廊下に積んで、一番上の箱から水をくんではコーヒーお茶を淹れていたけど、洗い物はめんどくさいから洗い物が出てしまう料理もしなかったわけだけど、、、

おばあちゃんは、うちの中で唯一生きている水道、庭の水道を使うべく、縁側からサンダルをつっかけて、庭に下りて、水道の前に桶をおいて、食べ終わった後の食器を洗い始める。私が洗うよといって横に行っても、割ったら大変と言って触らせないで、狭い桶というか、いつもはお風呂場にある洗面器、だから小さい容器の中に水を落としながら、その中で器用にお茶碗、お椀、お皿、コップ、お箸をちゃっちゃと洗っていく。こんなに狭くて姿勢もきついのに。。。

「お祖母ちゃん、すごい上手だね」と言うと、

「昔はみんなこう。お水を井戸から汲んでたこともあるんだもん。水道があるだけでもとっても楽だわよ」なんて言う。

とっても楽で快適で、素敵なことを大変でめんどくさいと思っていたのか私は。

素敵なインドア野宿。

食事中、お祖母ちゃんは言った。

「昼真に来ていた大工さんたち、ダボダボのズボンはいて、シンドバッドみたいだった」と。

うちに来ている大工さんもタイル屋さんも壁塗り職人さんみんな、お祖母ちゃんの好みだったらしくて、それぞれを「海老蔵さん」「龍馬さん」「ガクトくん」とあだ名をつけて呼んでいた。

そう言われて見るとみんなハンサムだな。ラッキーだ。

Momoe Melon

 Leave a Reply

(required)

(required)

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">