9月 032012
 

土色の着物にハットを被り杖をついた田中泯が賽ノ河原を思わせる石が積まれた上手から葉の落ちた木立のある下手へと空気を裂いては混ぜて移動してあの世とこの世の狭間を舞台上につくりだす。田中が客席へ足を着いた瞬間、死神とは遠慮会 [Read More?]

6月 272012
 

読んだ本についてどう書いたらいいか? どう本を選べばいいのか? 考え続けて半年が過ぎた。答えがみつかるかもと手にとったのが、都甲孝治による、翻訳のない外国語文学の「記録」だ。 「言語の肉体的肌触り」を求めて、「日本語の外 [Read More?]

6月 182012
 

「奇蹟が起きたんや/雨が降ってもいないのに/わたしのあそこがビショビショや」。主人公の少年の父親が酔っ払って歌う「陰部の唄」。いい唄だ。訳者・長山さきのセンスは最高だ。主人公の家族に関西弁風の言葉を話させることで、ろくで [Read More?]

4月 282012
 

ヒトラーの後継者とされていたゲーリングが、ニュルンベルク刑務所で「この世には悪事が存在すると初めて気づいたような顔をした」時の逸話を始めに、イェール大学心理学部教授のポール・ブルームが本質主義を軸に「喜び」を解明していく [Read More?]

11月 202011
 

過去二十年間、日本政府は日本軍「慰安婦」被害者への謝罪と法的責任をとることを巧妙に回避してきた。そしてその二十年の間ソウルの日本大使館の前で開催されてきたデモが本書のタイトルの『水曜デモ』だ。「心を慰め安らかにする」とい [Read More?]