2月 052012
新年、明けましておめでとうございます! しかし新年とは本当にめでたいのか? 新年を迎えるにあたって、気分は「成長する」から「老いる」へと年々シフトして、最近では新年を迎えるのが怖い。一体「老い」の何に怯えているのか? もしも「恋愛する資格」なるものがあるとしたら、それは「老い」によって剥奪されるものの一つかも? そんな考えに頭を固くして書店を彷徨っている時に目に飛び込んできたのが『島田順子スタイル』の表紙だった。無造作に白髪を束ねた島田順子が、パリのカフェでシャンパンを片手に微笑んでいた。
ページをめくると、パリの仕事場で、フォンテーヌブローの自宅で、自分がデザインした服を着てポーズをとるチャーミングな数々の写真。写真の一枚一枚から、彼女のライフスタイル、服や靴、アクセサリーへの愛着とこだわりが伝わってくる。
パリコレ参加六十回目を迎えてもなお、「良いアイデアがあれば何でもやりたい。年齢を理由に諦めたくない」という言葉に新しいことに挑戦する彼女の強さを感じ、「仕事の産みの苦しみより、失恋のほうが苦しい」という言葉から、いつまでも恋し続ける女性らしさを感じた。
年を重ねて自分を知ること。自然体でいることこそエレガントでセクシーなのだ。
「白髪になればポルシェが似合うかも」と夢見た少女は白髪を手に入れ、フォンテーヌブローとパリをポルシェで往復する。
「めでたい」は古語では対象に強く心を惹かれ褒め称える気分を表す「愛でたし」、また「芽出度い」と書いて芽が出る春の始まりを祝福する言葉。
歳を重ねるありのままの自分を愛でてみようなんて気分が芽生えた本との出会いだった。